制作会社へ、同じ判断材料を渡す。
提案の違いが、
比較できる
依頼書へ。
WebサイトリニューアルのRFPは、制作会社へ提案を依頼するための書類です。目的、現状の課題、依頼範囲、予算や納期を共有し、各社が同じ前提で提案できる状態を作ります。
完成した仕様書を最初から用意する必要はありません。この記事では、未定の項目も含めて依頼条件を整理し、提案を比較できる形にする手順を紹介します。
RFPと社内向け提案書を分ける
社内向け提案書は、リニューアルの必要性や予算の承認を得るための資料です。一方、RFPは「どのような課題について、何を提案してほしいか」を制作会社へ伝えます。承認済みの目的を、依頼条件へ置き換える関係です。
IPAも、RFPを発注側が提案を依頼する書類として説明しています。詳細な要件が固まっていない場合は、提案後に協力して具体化する進め方もあります。未確定事項を隠すのではなく、整理する業務自体を依頼範囲に入れましょう。
まずは六つの項目を埋める
長い会社紹介よりも、提案の判断に必要な情報を優先します。既存資料を添付する場合も、参照してほしい箇所を示すと読み違いを減らせます。
| 項目 | 記入する内容 |
|---|---|
| 背景と目的 | 現状の困りごと、対象者、改善したい行動 |
| 対象範囲 | サイトURL、対象ページ、残す情報、移行対象 |
| 必要な機能 | 更新、検索、フォーム、外部連携と優先度 |
| 予算と日程 | 予算範囲、希望公開日、社内確認に必要な期間 |
| 役割分担 | 原稿、写真、翻訳、移行、保守を誰が担当するか |
| 回答条件 | 提案書の構成、見積区分、質問・提出の期限 |
表は横にスクロールできます。
現状の数値を添える場合は期間と集計条件を明記します。閲覧用アカウントの共有が必要なときは権限を限定し、RFP本文にパスワードを書かないようにしてください。
必須・希望・提案に分ける
要望をすべて必須にすると、費用や納期の調整が難しくなります。業務上外せない条件、予算が合えば実現したい条件、方法から相談したい条件を分けましょう。
要件の書き分け例
必須:担当者がニュースを更新でき、公開前に上長が確認できること。
希望:過去のお知らせを条件で絞り込めること。
提案希望:更新担当者の負担を減らす入力画面と承認方法。
これは記入例です。特定のCMSや機能を先に固定せず、必要な運用を説明すると代案も比べられます。指定が必要な場合は、社内システムとの連携など、その理由も添えます。
見積もりと成果物の回答形式をそろえる
各社へ、企画・設計・デザイン・実装・移行・公開後対応を分けた回答を依頼します。原稿作成や撮影が別費用なら、その前提も明示してもらいます。「一式」だけでは、提案の違いを金額の差と取り違えやすくなります。
- 対象ページ数とテンプレート数、追加時の扱い
- デザイン案と修正対応の範囲
- 旧URLからの移行、計測設定、公開前テスト
- 納品物、管理権限、更新マニュアル
- 公開後の不具合対応と継続保守の区分
同じ質問に同じ粒度で回答してもらうことが目的です。提案の工夫まで細かく縛る必要はありません。代替案は基本案と分け、費用・日程・運用への影響を記載してもらいましょう。
評価基準を依頼前に共有する
提案が届いてから評価軸を変えると、見た目や担当者の印象だけで選びやすくなります。課題理解、運用のしやすさ、実施体制、予算適合など、今回重視する点を先に決めます。
| 比較項目 | 残す記録 |
|---|---|
| 必須条件 | 対応可否、条件付きの場合の制約 |
| 課題への提案 | 解決方法、根拠、未解決の課題 |
| 運用と体制 | 担当範囲、連絡窓口、社内に残る作業 |
| 費用と日程 | 総額、追加条件、前提となる社内作業 |
表は横にスクロールできます。
点数を付ける場合も、理由と確認事項を併記します。最安値であることと、必要な業務を任せられることは別の判断です。
例えば、社内に更新担当者が一人しかいないなら、提案画面の華やかさだけでなく、入力のしやすさや引き継ぎ方法も重視します。営業・広報・管理部門で評価が割れた場合は、最初に決めた目的へ戻って優先順位を確認します。
配布後の質問と変更を管理する
質問の受付先と回答日を決め、条件に関わる回答は参加する制作会社へ同じように共有します。予算や公開日を変更したら、資料の版番号と変更箇所を残してください。
RFPができたら、社内の承認者と実際の更新担当者の両方に確認してもらいましょう。依頼内容と運用できる体制をそろえてから提案を受けることが、比較を進める土台になります。
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何を必須にするか、制作会社へどこまで相談するか。現状の課題と社内体制から、依頼内容を一緒に整理します。