キャラクター制作の発注書の作り方|依頼内容・納品・著作権の確認項目
完成イメージだけでなく
利用方法と納品条件まで伝える
制作会社やイラストレーターへ依頼する前に、発注書へ入れたい項目と確認手順をまとめます。
キャラクター制作で「思っていたデザインと違う」「追加ポーズが別料金だった」「元データがなく印刷に使えない」といった問題が起きる原因は、発注時の条件不足にあります。参考画像だけでは、目的、優先順位、利用範囲、納品条件は伝わりません。
発注書は、制作側を縛るための資料ではなく、判断基準を共有して手戻りを減らす資料です。本記事では、初回依頼から検収までに必要な項目を解説します。
発注書とデザイン指示書の違い
発注書は、業務範囲、金額、納期、納品物、権利など取引条件を確認する文書です。デザイン指示書は、目的、ターゲット、世界観、色、表情など制作内容を伝える資料です。両方を一つにまとめても構いませんが、条件と表現指示を分けて記載すると変更点を管理しやすくなります。
キャラクター制作の発注書に入れる12項目
- 案件名と担当者:正式名称、発注側・制作側の窓口
- 目的:認知、商品説明、採用、キャンペーンなど
- ターゲット:利用者と利用場面
- 制作範囲:基本デザイン、三面図、表情、ポーズ、ロゴなど
- デザイン要件:性格、世界観、色、避けたい表現
- 利用媒体:Web、SNS、広告、印刷、動画、商品
- スケジュール:初稿、修正、最終確認、納品
- 修正条件:回数、範囲、追加費用
- 納品形式:AI、SVG、PSD、PNG、サイズ、カラーモード
- 費用:制作費、追加費、交通費、税、支払条件
- 権利:著作権、利用許諾、商標、実績公開
- 検収:確認期間、完了条件、不具合対応
目的とターゲットを先に伝える
「親しみやすいキャラクター」だけでは、人によって解釈が変わります。「専門サービスを初めて比較する30〜40代の担当者へ、難しい内容を案内する」のように、誰に何を伝えるキャラクターかを書きます。企業理念や商品の特徴も、優先順位を付けて3点程度に絞ります。
制作物の点数と仕様を数える
基本ポーズ1点だけなのか、正面・側面・背面、表情5点、SNS用ポーズ10点まで含むのかを明確にします。名称やロゴ、プロフィール文、設定資料が必要なら制作範囲へ加えます。デザイン案の比較方法は企業キャラクターのデザイン案の選び方で確認できます。
修正の定義を合わせる
色や小物の調整と、コンセプトから作り直す変更は工数が異なります。「修正2回」に何が含まれるか、追加料金となる条件、発注側の確認期限を決めます。社内の意見をまとめる担当者を一人置き、相反する修正指示を避けます。
納品形式は用途から逆算する
| 用途 | 主な形式 | 確認点 |
|---|---|---|
| Web・SNS | PNG、WebP、SVG | 背景透過、表示サイズ |
| 印刷 | AI、PDF | CMYK、塗り足し、フォント |
| 動画 | PSD、AI、連番画像 | パーツ分け、解像度 |
| 立体・グッズ | 三面図、色指定 | 再現条件、監修 |
詳しくはキャラクターデータの納品形式を確認してください。
著作権と利用範囲を契約で確認する
文化庁は、依頼者が報酬を支払っただけで著作権を取得するわけではなく、著作権の帰属や利用方法を契約書で定める必要があると案内しています。発注書だけで完結させず、基本契約や個別契約と内容を一致させます。
Web、SNS、広告、商品化、改変、追加ポーズ、海外利用、期間、実績公開を確認します。将来の利用が未定でも、追加許諾の連絡先と費用の考え方を決めておくと安心です。
検収時に確認すること
- 発注した点数とバリエーションが揃っている
- ファイルが開き、レイヤーや背景透過が正しい
- 色指定とサイズが用途に合っている
- 名称とデータ名が管理ルールに沿っている
- 利用条件、納品日、請求条件に相違がない
- バックアップ先と社内利用者を記録した
目的 → 制作点数 → 修正 → 納品 → 利用範囲 → 権利 → 検収の順に読み直します。見た目の指示だけでなく、完成後の使い方まで制作側と共有してください。
発注内容の整理、キャラクター制作、ガイドライン、Web・SNS活用まで支援します。
よくある質問
発注書だけで著作権の条件を決められますか?
取引全体の契約との整合が必要です。発注書、見積書、基本契約、個別契約のどこで何を定めるかを確認してください。
制作開始後に用途が増えた場合はどうしますか?
追加媒体が利用範囲に含まれるかを確認し、必要なら追加見積もり・許諾・監修を行います。
生成AIを使う制作では何を確認しますか?
使用サービス、商用利用条件、学習・入力データ、類似性確認、元データの扱い、修正責任を確認します。
まとめ
キャラクター制作の発注書では、目的、制作範囲、修正、納品、権利、利用方法、検収まで具体的にします。完成後の使い方から逆算して条件を共有すると、手戻りと追加費用を減らせます。
参考:文化庁「誰でもできる著作権契約マニュアル」。本記事は一般的な情報であり、個別案件の法的助言ではありません。